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スヴャトスラフ・リヒテルの名演・名盤

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スヴャトスラフ・リヒテル

スヴャトスラフ・リヒテル
melodiya リヒテル シューベルト:ピアノソナタより

スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Richter 1915~1997年)は、ウクライナ生まれのソ連のピアニストです。

ドイツ系でありながらソ連で活躍してきたピアニストであり、20世紀最高のピアニストの一人にも数えられています。

今回は、スヴャトスラフ・リヒテルの生涯を辿り、その演奏が納められた名盤CDと名曲を紹介していきましょう。



スヴャトスラフ・リヒテルは、1915年にロシア帝国(現・ウクライナ)のジトーミルに生まれました。
父はウィーン音楽院で学んだピアニスト、母はロシアの名門地主家族の出身という環境で育ちます。
1918年のロシア内戦によって家族が四散してしまうものの1921年には再開し、オデーサに移住しました。

6歳にしてピアノを学び始めますが、父はオデーサの音楽院での教務が忙しく、リヒテルは独学でピアノを学んだとされています。
父は基礎的な音楽教育しか施さなかったものの、リヒテル本人は地元のオペラやバレエ団で定期的に練習し技術を磨いていきました。

15歳になると、オデーサの歌劇場で働き始め、リハーサルにも参加しはじめます。
そして、19歳にして初めてのリサイタルを開いたのです。
しかし、正式な音楽教育を受けることを求め、モスクワ音楽院でピアニスト兼ピアノ教師であったハインリヒ・ノイハウスに師事しました。
ノイハウスからはその才能を認められ、オーディションの際にいた同僚に「この男は天才だ」とささやいたようです。

このようにしてキャリアを徐々に築き始めた矢先、1941年、彼の父親はドイツ系の人間だったことからスターリンの粛清の対象となり処刑されてしまいます。
当事作曲家も志望し、いくつかの作品を作曲していましたが、この時期を境に作曲をやめてしまったのです。

1943年、そんな失意のリヒテルの前にオペラのソプラノ歌手であるニーナ・ドルリアックが現れます。
そして、ドルリアックのリサイタルに同行し、事実婚状態になりました。
ただ、リヒテルは当時から同性愛者であり、迫害の対象となっていたため社会的な対面を保つものという噂もあったようです。

1949年には、これまでの実績が認められスターリン賞を獲得し、そして当時の共産圏を中心に大規模なコンサートツアーを実施します。
さらに1952年には指揮者としても活躍するようになります。

1960年には再度スターリン賞とレーニン賞を受賞し、人民芸術家となりアメリカやイギリス、フランスといった西側諸国でも演奏活動を始め、その演奏は各地で大成功を収めました。
さらに、1970年には日本へも訪問したのです。

昔から飛行機が苦手だったためにモスクワからシベリアを横断して船に乗って来日したそうです。
その後日本を8回訪れ、いずれも大成功を収めています。

1980年以降は、大規模なコンサート活動を止めて、小さなホールで小規模な演奏会を開くことに拘りますが、これは演奏されている音楽のみに集中できるようにという考えからだったようです。

1995年まで演奏活動を続け、1997年心臓発作でモスクワにて没します。

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音楽家の車田和寿氏によるリヒテルの解説動画。
非常に分かりやすく、楽しい動画です。

【大演奏家紹介③】リヒテル!偉大なピアニスト、スビャトスラフ・リヒテルの魅力や名盤を紹介!

スヴャトスラフ・リヒテルの名曲と名盤

スヴャトスラフ・リヒテルの名曲と名盤CDを紹介していきましょう。
名盤CDとして次の3曲を挙げます。

・Schubert:Piano Sonatas 19,21

Schubert:Piano Sonatas 19,21は、1972年のザルツブルクにおけるセッションを収録したスヴャトスラフ・リヒテルの演奏を身近に触れられる一枚です。
冒頭に収録されているシューベルトのピアノソナタ第19番は、スヴャトスラフ・リヒテルの感性と自身の音楽性を凝縮した演奏を感じられます。
さらに、スヴャトスラフ・リヒテルの名を著しく高めたシューベルトのピアノ・ソナタ第21番変ロ長調も収録し、シューベルトが作曲時に感じた悲壮感を、その演奏で表現している印象さえ受けます。
郊外にある閑静な歴史的古城で収録されている点も特徴的です。

・スヴャトスラフ・リヒテル名演奏集

スヴャトスラフ・リヒテルのモスクワなどで行われた演奏を5枚のディスクに凝縮したアルバムです。
特に雷神の異名をとった時期(1960~1970年代)のライブ演奏を中心に収録されています。
ベートーヴェンシューベルトリストの曲が収められており、特にシューベルトのト長調のソナタは、貴重な収録曲です。
デジタルリマスターされていないので、当時の音質そのままに聞くスタイルとなりますが、それでもスヴャトスラフ・リヒテルの魅力を感じるのに十分以上の迫力があります。
重機とスポーツカーが合わさったような豪快で豊かな表現力と、巧みな音色の変化が感じられる演奏集といえるでしょう。

・リヒテル 幻の東京リサイタル

レコーディング嫌いで有名だったスヴャトスラフ・リヒテルは、ライブ演奏という形で多くの名盤を残してきました。
その中でも特に興味深いのがリヒテル 幻の東京リサイタルです。
1984年に文京区にある純日本家屋の蕉雨園(しょううえん)にピアノが運び込まれ、そこでごく一部の招待客のみに演奏した貴重な録音です。
演奏は、ドビュッシーの前奏曲集第1巻から10曲とハイドンの2篇のソナタで晩年のスヴャトスラフ・リヒテルによる演奏は、彼の到達した円熟味を存分に感じられます。
コンサートホールやレコーディングスタジオではない、木造の日本家屋での録音も希少で趣深いものがあるといえるでしょう。

スヴャトスラフ・リヒテルの人気CD・希少CD

PYRAMIDレーベルの希少CDで、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第6、7、17、18番、ドビュッシー:「プレリュード」、ショパン:バルカロール、ロンドです。
フランス国立視聴覚研究所(INA)の貴重音源が使用されており、非常に人気もあるため手に入れにくくなっています。
レーベル: PYRAMID Records
JAN:3355388135071

人気のPHILIPS 24bitデジタル・マスタリングシリーズによる、ロストロポーヴィチ&リヒテル ベートーヴェン:チェロ・ソナタ(全5曲)のCDです。
クラシック界の巨匠2人による名演。
中古市場でも高価な金額が付いています。

PHCP-24015~6
4988011148880






巨匠・リヒテルの遺産シリーズ。こちらも手に入りにくい希少なCDです。
リヒテルの偉大さが理解できる凄い演奏が盛りだくさんあり、中古市場でも高価な価格で売買されています。

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スヴャトスラフ・リヒテルの動画

リヒテルのショパン – IMSLPからパリ初版の楽譜フリー

リヒテルはその技術力の高さから速弾きが多くピックアップされてしまい、テクニックが凄いだけとか言われてしまうことがありますが、そんなことはありません。
多くの人達の心を震わせるこのピアノの音色は、末永く語り継がれることでしょう。

ショパンのエチュード作品10-4は、「高難易度」に位置する演奏曲です。弾き手が上手く技術を使うことによってて、効果的な表現を行うことができるように設計されています。
演奏者への要求も高く、常に速い動きを続けなければならない「準常動曲」とも言える特徴があります。
ヴャトスラフ・リヒテルが演奏したこのエチュード作品10-4は、特に情熱的で彼独特のリズム感覚とテクニックを駆使して、力強く、洗練された演奏を聴かせてくれます。

Chopin Etude Op 10 No. 4 Sviatoslav Richter - リヒテルのショパン – IMSLPからパリ初版の楽譜フリー! #music #piano

ベートーヴェン・リサイタル – スヴャトスラフ・リヒテル – (1976年モスクワ)

1976年にスヴャトスラフ・リヒテルがモスクワで行ったベートーヴェン・リサイタルは、最高レベルのピアノ・リサイタルです。

20世紀最高のピアニストの一人であるリヒテルは、このリサイタルでソナタ第1番、ソナタ第7番、第9番などベートーヴェンの作品を演奏しました。

リヒテルによるベートーヴェン作品の解釈は、批評家からも聴衆からも高く評価され、技術的な正確さ、情熱的で激しい演奏、驚くべき感情の深さなどこの演奏の素晴らしさは広く賞賛されました。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタや協奏曲の楽曲をドラマチックに、そして見事に演奏し、感情や激しさといった深い雰囲気を作り出し、聴衆を魅了したのです。

このリサイタルは、今日でも音楽史に残る画期的な出来事として記憶されています。

Beethoven Recital – Sviatoslav Richter – (Moscow, 1976)

リヒテルがショパンの革命的エチュードの演奏動画

ショパンの革命的エチュードとして、スヴャトスラフ・リヒテルが演奏したのは、「 練習曲(エチュード) Op.10-12 ハ短調『革命』」で、その小さな構成や多くの創造的なテクニックを使用して、当時のピアノ演奏の枠組みを大きく変えたものです。

ショパンの作品の中でも、旋律を綿密にしたり、ニュアンスを強調したり、アクセントやテンポを変えたりするなど、様々な新しいテクニックを使用しています。

このエチュードは、ヴラトスラフ・リヒテルの演奏によって、最初に多くの聴衆に聴かれ、その後も現代に至るまで多くのピアニストに影響を与えています。

Richter plays Chopin Revolutionary Etude

スヴャトスラフ・リヒテル – ショパン – エチュード

リヒテルが演奏したショパン・エチュードは、1829年から1832年にかけてショパンが作曲した24曲で構成されています。

ロマン派ピアノのレパートリーの中でも最も技術的に難しい曲も含まれており、その演奏には高度な技術と持久力が要求されます。リヒテルのエチュード演奏は、ショパンの音楽的アイデアを余すところなく表現し、そのパワーと表現力において定評があります。

彼の楽器の扱い方と解釈の深さが、ショパンの音楽の本質を捉えた名盤となっています。

Sviatoslav Richter – Chopin – Etudes

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