現代音楽

これまでのクラシック音楽の常識を覆すような型破りな「現代曲」。

 

現代音楽以前のクラシック音楽は、長調や短調による一定の音階に基づいて旋律が作られ、一定の和音の動きによって曲が進んでゆくため、とても統一感のある心地の良い音楽でした。

これを「調性」と呼ぶのですが、現代音楽では、調性をはじめとする従来のクラシック音楽様式を否定し、まったく新しい精鋭的な無調の音楽が主流となっています。

 

現代音楽の特徴

 

現代音楽とは、20世紀初頭から前代にかけて作曲されたクラシック音楽のことです。

とくに、20世紀初頭では、古典派音楽やロマン派音楽で確立されたクラシック音楽における基本ルールを打破し、無調整で曖昧な表現を狙った作品がたくさん誕生しました。

 

なかでも、現代音楽を代名詞とされるオーストリアの作曲家 シェーンベルクは、調性を否定した無調音楽や音を組織化する「12音技法」の創始として知られています。

12音技法とは、オクターブ中の12音を平等に用いることで、主音や調性を否定した無調音楽に新たな秩序を与えるためのものであり、のちにフランスの作曲家 メシアンとブーレーズらによって、「ミュージック・セリエル (セリー音楽)」として発展しました。

 

統的なルールにとらわれることなく、自由な発想と主知的な態度をもって、クラシック音楽に新たな体制を築き上げようとする尖鋭的な姿勢によって誕生した現代曲ですが、私たちがこれまで耳にしてきたクラシック音楽とは一線を画する存在のため、はたして聴き手の理解をどこまで得られるのかがとても重要な要素となっています。

 

代表的な現代音楽

 

ホルスト 組曲「惑星」

 

イギリスの作曲家 ホルストが作曲した作品のなかで最大規模を誇る管弦楽組曲「惑星」。

1914から2年かけて作曲されたこの作品は、創作をはじめる1年前に劇作家のクリフォード・バックスから占星術について教えを受けたことで、占星術に心を奪われ、その結果誕生した作品だと伝えられています。

とても神秘的で壮大な旋律は、年齢や性別を問わず、いまもなお世界中の人々から愛されていることは言うまでもありません。

 

ケージ 「4分33秒」

 

アメリカの作曲家 ケージによって作曲された「4分33秒」。

この作品は、現代曲のなかでも異彩を放つクラシック音楽として、その名を世間に轟かせた話題作です。

「4分33秒」は、3楽章からなる楽曲であり、なんと全楽章すべて“TACET (休み)”という驚くべき内容に仕上がっています。そのため、この作品を演奏する際は、ステージへ上がると指揮者と演奏者、どちらも演奏姿勢をとるのですが、楽譜には“TACET”と書かれているため、4分33秒のあいだまったく演奏することなく、曲が終了します。

この作品のテーマは「無音」であり、音の無い世界に広がる“音”とは何かを考えさせられるクラシック音楽です。

 

現代曲の魅力

 

現代曲の魅力は、クラシック音楽を創作するときに伝統的なルールにとらわれることなく、自由な発想と主知的な態度をもって、クラシック音楽に新たな体制を築き上げようとする尖鋭的な姿勢によって誕生したものです。

けれど、すべての現代曲が前衛的というわけではありません。なかには、古典派音楽やロマン派音楽に確立された音楽をもとに創作された現代曲もたくさんあります。

 

 

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