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メンデルスゾーンの名曲・代表曲

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フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ

フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ
Wikipedia画像より

メンデルスゾーン【ヤーコプ・ルートヴィヒ・フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy)】は、1809年にドイツで生まれの音楽家で、ロマン派音楽の先駆者として知られており、繊細かつ表現豊かなスタイルを特徴とした作曲家です。

メンデルスゾーンは古典派音楽の伝統を継承しつつ、ロマン派の感性を取り入れた独自のスタイルを築きました。彼の作品はロマン派音楽の中でも特に情感豊かで、繊細な美しさを持っています。

彼の家族はユダヤ人でしたが、彼が生まれる前にキリスト教に改宗しています。メンデルスゾーンはベルリンに移り、若くして音楽家のカール・フリードリヒ・ツェルターから音楽の教育を受け始め、9歳で公にデビューを果たしました。

メンデルスゾーンの才能は若い頃から明らかでした。
彼は早くも幼少期に交響曲やオペラを作曲し、他にもシンガアカデミーで本格的に作曲を学びながらヴァイオリン・ソナタやピアノ・ソナタ、オペラやカンタータ、四重奏曲など多数の作曲をしました。

彼の代表曲「真夏の夜の夢の序曲」を僅か17歳で作曲し、その若き頃からの特出した才能はモーツァルトの再来とまで言われていました。また、バッハの「マタイ受難曲」の演奏を指揮したり、バッハの音楽を再評価する運動にも貢献し、バロック音楽の復興に尽力したことも有名です。

また、彼はヨーロッパ各地を旅し、その経験から「スコットランド交響曲」や「イタリア交響曲」などの名曲を生み出しました。

メンデルスゾーンは音楽の才能だけでなく音楽教育にも力を入れた人物で、1843年にはライプツィヒ音楽院を設立して、ドイツの音楽教育の向上に寄与しました。

彼が設立したライプツィヒ音楽院は今日も存在し、彼の音楽教育への貢献は今なお評価されています。メンデルスゾーンがその短い生涯で音楽界に残した足跡は、時を超えて多くの人々に影響を与え続けているのです。

メンデルスゾーンの私生活では1837年にセシル・ジャンルノーと結婚し、5人の子供に恵まれて、家族と共に幸せな生活を送りましたが、1847年に妹のファニーが急逝し、そのショックから立ち直ることができずに同年、メンデルスゾーン自身も38歳の若さでこの世を去りました。
メンデルスゾーンの死後も彼の音楽は多くの人々に愛され続けています。


メンデルスゾーンの作品を語る上で欠かせないのが、MWV(メンデルスゾーン・ヴェルク・ヴェルツァイヒニス)番号です。

彼の作品はMWV番号で分類され、ジャンルごとにAからZまでのアルファベットと作曲年代順の番号で構成されています。

これは音楽学者ヴェーナーが編纂した目録で、作品をジャンル別にAからZまで分類し、さらに作曲年代順に番号を付与したものです。

この目録は作曲家の生涯を通じて創造された音楽の全体像を捉えるための重要なツールであり、未発表作品や希少性の高い作品の発見にも寄与しています。

彼の初期の作品や遺稿として残された作品など、MWVを通じてシステマティックに研究されており、メンデルスゾーンの隠れた名曲を探求する際、MWVは貴重な指標となるのです。

例えば、彼の代表作「夏の夜の夢」はMWV P 9とされています。
この分類法により、メンデルスゾーンの作品群を体系的に理解することが可能になります。


メンデルスゾーンの代表曲の中でも特に有名な「結婚行進曲」は、誰でも一度は聞いたことがある名曲です。彼の音楽は詩情豊か、しかもロマンティックな旋律が特徴的で、特にピアノ作品や管弦楽曲においてその才能を存分に発揮しており、洗練された楽曲構成と鮮やかなオーケストレーションが聴き手を魅了します。

【作曲家紹介⑯】メンデルスゾーン!優雅で華麗な音楽が魅力のメンデルスゾーンの生涯と名曲を紹介!!「歌の翼に」、「真夏の夜の夢」、「春の歌」他

メンデルスゾーンの作品

メンデルスゾーン作品のイメージ画像
画像はイメージです。

メンデルスゾーンはピアノ作品においても管弦楽作品と同様に卓越した才能を発揮しました。
特に《無言歌集》は彼のピアノ音楽の中でも特に親しまれている作品群です。
無言歌は歌詞のない歌曲として知られ、ロマンスや性格的な小品といった独自の感性が込められています。彼の作品は具体的な情景や感情を音楽で表現し、聴く者に内面の世界を垣間見せる力があります。
第1集から第8集に至るまで、それぞれの小品には独自の性格があり、メンデルスゾーンの豊かな感性が反映されています。

例えば「ヴェネツィアの舟歌」はその軽快なリズムで多くの人々を魅了し、水のリズムを模した穏やかな旋律でヴェネツィアの風景を描き出し、聴き手をその場へと誘います。彼のピアノ・ソナタや各種の変奏曲、カプリスに至るまで緻密な構造と情感豊かな旋律が絶妙に組み合わさっており、メンデルスゾーンの創造力とピアノという楽器への深い理解を示しています。「チェロとピアノのための無言歌Op.109」は内省的な美しさを湛えており、彼の室内楽の中でも際立った存在です。

これらの作品を通じてメンデルスゾーンは繊細な感性と豊かな音色を組み合わせ、聴く者に深い感動を与える音楽を創造しました。

室内楽と協奏曲は彼の多彩な才能を如実に示しています。
特に「ピアノ六重奏曲op.110」や「チェロソナタop.58」など、様々な楽器組み合わせによる作品群はその緻密な構造と情感豊かな旋律が特徴で、「協奏的変奏曲op.17」や「無言歌op.109」では、ピアノとの対話を通じて、ソロ楽器の表現力を最大限に引き出しており、メンデルスゾーンの室内楽作品は演奏家にとっても聴衆にとっても深い感銘を与えるものとなっています。

メンデルスゾーンの歌曲と合唱曲は彼の多面的な才能を映し出しています。
彼が手掛けた「12の歌 op.8」や「6つの歌 op.19a」などの作品群は、感情豊かなメロディと繊細なピアノ伴奏が特徴です。

これらの作品には、春の訪れを告げる「春の歌」や愛の喜びを歌った「愛の歌」など、自然や人生のさまざまな場面を描いた歌が含まれています。また、彼の妹ファニーも優れた作曲家であり、いくつかの作品では彼女の手による歌曲も見受けられます。

メンデルスゾーンは変奏曲や前奏曲にも顕著な才能を示しましたが、特に注目すべきは彼の協奏曲の作品群です。「ピアノ協奏曲第1番ハ短調Op.25」や「第2番ニ短調Op.40」は、その技巧と表現の豊かさで知られています。また、「ヴァイオリン協奏曲ホ短調Op.64」は彼の熟達したオーケストレーションと独奏者のための洗練された楽曲構成が光る作品です。これらの協奏曲はクラシック音楽における変奏の技法と前奏曲の形式を巧みに取り入れた、メンデルスゾーンの音楽的多様性を示しています。

ピアノ独奏曲と室内楽作品は、彼の繊細かつ情熱的な音楽性を反映しています。
特に「ピアノ六重奏曲Op.110」や「三重奏曲Op.49、Op.66」は、豊かなハーモニーと緻密な構造で知られています。室内楽では四重奏曲Op.1からOp.3までの作品群があり、メンデルスゾーンの初期の才能を示しています。

ピアノ作品における「幻想曲」と「カプリス」は彼の創造力と技術の粋を集めたジャンルとなっています。特に「幻想曲 op.15」や「ロンド・カプリッチョーソ op.14」は情緒豊かな旋律と躍動感あふれるリズムが特徴です。これらの作品はメンデルスゾーンが抒情的かつ劇的な表現を巧みに組み合わせたことで知られております。ピアニストにとって技巧を要するこれらの作品は、練習においても表現力の向上に役立ちます。

メンデルスゾーンの作品は彼の没後も多くの編纂者によって世に送り出され続けており、特に「ライプツィヒ版メンデルスゾーン全集」は彼の全作品を網羅する試みで未だ進行中のプロジェクトです。

これにより演奏家や音楽愛好家は、過去にはアクセス困難だった作品にも触れることが可能となりました。しかし、演奏と録音の現状は、彼の有名な作品に偏りがちです。例えば、「夏の夜の夢」や「イタリア交響曲」などが頻繁に演奏され、録音されていますが、作曲家の幅広いレパートリーの中から新たな魅力を発掘する試みはまだまだ少ないのが実情です。

メンデルスゾーンは通奏低音や対位法を駆使した古典的な技法とロマン派特有の感性を融合させた作品を多く残した作曲家ですが、楽曲は感動的な旋律、豊かな和声、繊細なオーケストレーションによって、現代においても多くの人達に感動を与えています。

彼の作品は後世の音楽家たちに大きな影響を与え、音楽の教育現場でも頻繁に取り上げられるなど、その教養的価値は計り知れません。メンデルスゾーンの音楽が今日の聴衆に与える影響は、単なる美しいメロディに留まらず、音楽を通じた深い感動と教育的な側面にも及んでいるのです。

メンデルスゾーンの代表曲

交響曲                 交響曲第2番「讃歌」
交響曲第3番 イ短調 「スコットランド」 作品56   
交響曲第4番 イ長調 「イタリア」 作品90
交響曲第5番 ニ長調 「宗教改革」 作品107
序曲「フィンガルの洞窟」 作品26 演奏会用序曲
静かな海と楽しい航海」 作品27
協奏曲ピアノ協奏曲第1番 ト短調 作品25
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64
室内楽曲弦楽五重奏曲 第2番変ロ長調 Op.87
ピアノ三重奏曲第1番 ニ短調 作品49
弦楽八重奏曲 変ホ長調 Op.20
チェロとピアノのための無言歌 ニ長調 作品109
ピアノ曲無言歌集 第5巻 Op.62 第1曲 5月のそよ風
無言歌集 第8巻 Op.102 第4曲 そよ風
無言歌「春の歌」
無言歌集から「狩りの歌」イ長調 Op.19-3
無言歌集から「浮雲」変ホ長調 Op.53-2
無言歌集 ヴェネツィアの舟歌
アルバムの綴り Op.117
ロンド・カプリチオーソ ホ長調 作品14
劇音楽夏の夜の夢 作品61
 スケルツォ 真夏の夜の夢より
 スケルツォ 真夏の夜の夢より ラフマニノフ編
 結婚行進曲
オラトリオエリヤ 作品70
歌曲歌の翼に 歌曲集「六つの歌曲」作品34の2
ヴェニスの舟唄 Op.57-5
オペラ「夏の夜の夢」より「結婚行進曲」
子守歌 Op.47
アヴェ・マリア 8声によるモテット Op.23の2
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メンデルスゾーンの名曲10選

名曲1 交響曲第4番 イ長調 「イタリア」 作品90

フェリックス・メンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調「イタリア」作品90は、彼がイタリアの陽光溢れる風景と情熱的な文化に魅了された結果生まれた名曲です。1830年から1831年にかけてのイタリア旅行中、メンデルスゾーンはローマやナポリなど、美しい都市を訪れた際にその地の芸術や気候に深い感銘を受け、そのインスピレーションをこの曲に反映させています。ただ、地元の音楽には幻滅を感じ、「記憶に値する音は一音も聴いたことがない」と友人に手紙で綴っています。

この交響曲は1833年3月13日、ロンドンでの初演は大成功をおさめ、メンデルスゾーンはこれを「最も陽気で、成熟した作品」と評価していますが、作品の完成は容易なものではなく、編集の過程で「最も苦い瞬間」を経験したと本人が認めています。特に第2、第3、第4楽章の改訂には大きな労力を要し、第1楽章も後に作り直されています。それにもかかわらず、メンデルスゾーンは生涯に渡ってこの曲の出版を見送り、ドイツでの演奏も許可しませんでした。

第1楽章はイタリアの陽気な雰囲気を捉えたもので、木管楽器と弦楽器が織り成すリズミカルなメロディが特徴的です。メンデルスゾーンのイタリアへの愛がこの楽章全体に溢れており、聴く者を即座にその世界へと誘います。また、J.S.バッハへの敬意を表した対位法の技術も見受けられ、メンデルスゾーンの作曲技術の高さをうかがわせます。

第2楽章はイタリアの宗教行列を思わせる厳かな雰囲気を持ちながら、中間部では明るさを見せ、ピチカートの弦楽器が特徴的です。この楽章はイタリアの深い文化的背景と、その中での静寂と動きの対比を巧みに表現しています。

第3楽章はメンデルスゾーンが提供する快活なメヌエットであり、ベートーヴェンの影響を受けつつも、彼独自のスタイルが色濃く出ています。この楽章はドイツのロマン主義とカール・マリア・フォン・ウェーバーへの敬意が感じられる、穏やかでロマンティックな雰囲気を持っています。

最終楽章はイタリアの陽気な民族舞踊、サルタレッロに触発されたもので、エネルギッシュでリズミカルな動きが特徴です。この楽章は中世のイタリアのダンスを現代に蘇らせ、聴く者を熱狂的なフィナーレへと導きます。息を切らせるようなテンポとダイナミックな終結はこの交響曲が持つ生命力と情熱を強調しています。

メンデルスゾーンの「イタリア」は彼の音楽旅行の中でも特に印象的な作品であり、イタリアの風土や文化への深い愛情と理解を音楽を通じて伝えています。各楽章が織り成す物語は聴く者にイタリアの美しさを想像させ、音楽の力で異国情緒を体験させてくれます。

メンデルスゾーンの死後4年が経ち、彼の教師の一人であったイグナス・モシェレスによって「公式」版が編集され、出版されました。今日に至るまでこの作品はメンデルスゾーンがイタリアでの経験からインスピレーションを得て作り上げた最も明るく陽気な交響曲として高い評価を受けています。

交響曲第4番《イタリア》(メンデルスゾーン) HIGH

名曲2 夏の夜の夢 作品61

フェリックス・メンデルスゾーンはシェイクスピアの「夏の夜の夢」に魅了され、わずか17歳でその魅力を序曲作品21に凝縮しました。この作品は後にプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世からの依頼により、1843年に劇音楽作品61として拡張されることとなります。

メンデルスゾーンのこの作品は彼の幅広い音楽的才能と深い洞察力を示しています。
彼はシェイクスピアの登場人物たちの情感や森の魔法、愛の歌、そして人間の喜びや悲しみを音楽で見事に表現しました。

序曲ではメンデルスゾーンは夏至の夜の森の魔法・妖精たち・アテネの宮殿・愛の歌など、劇のさまざまな要素を巧みに取り入れており、物語全体の縮図として機能させながら聴く者をシェイクスピアの幻想的な世界へと誘います。

スケルツォは妖精たちの軽やかな動きを表現し、パックの素早い動きやボトムの滑稽な場面を音楽で描き出しています。この部分ではクラリネットやフルートのソロが特に有名で、オーケストラのオーディションでもよく使われるほどです。

間奏曲はハーミアの愛の追求と、素朴な木工職人たちの微笑ましい登場を描いています。
この部分では恋人たちの追い求める愛と職人たちの純粋な喜びが対照的に表現されています。

夜想曲は若者たちが再び愛し合うようになる翌朝の情景を描いています。
愛と安息のテーマがホルンやバスーン、フルートによって優しく奏でられます。

「道化師の踊り」は結婚式の披露宴での素人芝居の一幕として、序曲で紹介された木こり職人の主題を再び取り上げます。この部分はシェイクスピアの劇団の生き様や芸術家としての矜持を表現しています。

「結婚行進曲」は3組のカップルの結婚式の前奏曲として演奏され、喜びと祝福の雰囲気を盛り上げます。この曲はハ長調で書かれ、光と喜びを象徴しています。

メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」劇音楽はシェイクスピアのテキストと完璧に調和し、聴く者を魔法のような世界へと誘います。彼の音楽は劇の登場人物たちの感情や物語の展開を見事に捉え、シェイクスピアの不朽の作品に新たな生命を吹き込んでいます。

メンデルスゾーン 劇音楽 『夏の夜の夢』(全曲)作品61 ラインスドルフ Mendelssohn "A Midsummer Night's Dream"

スケルツォ 真夏の夜の夢より

メンデルスゾーン/真夏の夜の夢よりスケルツォ  Mendelssohn/Scherzo from A Midsummer Night's Dream Op.21

スケルツォ 真夏の夜の夢より ラフマニノフ編

黒木 雪音/メンデルスゾーン=ラフマニノフ:劇音楽「真夏の夜の夢」より「スケルツォ」(2019ピティナ 特級セミファイナル)

名曲3 結婚行進曲

フェリックス・メンデルスゾーンが作曲した「結婚行進曲」は今日では結婚式の象徴的な音楽として広く認知されていますが、その起源はシェイクスピアの『真夏の夜の夢』にあります。この曲が結婚式と結びつくまでの経緯には興味深い歴史があります。

もともとメンデルスゾーンは1843年にプロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の依頼を受けて、シェイクスピアの幻想的な劇『真夏の夜の夢』のためにこの音楽を作曲しました。特に「結婚行進曲」は劇中で妖精の女王ティターニアとテセウス公爵の結婚式の場面を盛り上げるために使用されました。その明るく、活気に満ちたメロディはお祝いの雰囲気を見事に表現しています。

この曲が結婚式の場で演奏されるようになったのは、1847年のイギリスでのある結婚式が最初だとされています。しかし、この曲が世界的に有名になったのは1858年1月25日にセント・ジェームズ宮殿で行われたヴィクトリア王女(後のドイツ皇后)とプロイセンのフリードリヒ王子(後のフリードリヒ3世)の結婚式で演奏されたことによります。

メンデルスゾーンの「結婚行進曲」はその後も多くの結婚式で選ばれる楽曲となり、今日に至るまで愛され続けています。この曲が持つ歴史的背景と結婚式という特別な日に花を添えるその能力は、世界中のカップルにとって特別な意味を持つでしょう。

メンデルスゾーン/「夏の夜の夢」結婚行進曲

名曲4 「フィンガルの洞窟」 作品26 演奏会用序曲

フェリックス・メンデルスゾーンが若かりし日の1829年、彼は友人と共にスコットランドの自然を探索し、その経験からインスピレーションを受けて「フィンガルの洞窟」作品26を作曲しました。
この作品は彼のスコットランド旅行中に見た風景や感じた感情を音楽で表現したもので、特にスコットランド西海岸沖のヘブリディーズ諸島を訪れ、スタファ島のフィンガルの洞窟に足を踏み入れた際の体験が強い影響を与えました。

メンデルスゾーンは洞窟の入り口に立ち、その神秘的な雰囲気と自然の壮大さに圧倒されました。
彼はこの感動を音楽に変えることを決意し、その後すぐに序曲の冒頭部分をスケッチしました。
彼の音楽は洞窟の内部の響きや海の波の動きを表現しており、聴く者をスコットランドの自然の中へと誘います。

この作品は「演奏会用序曲」として知られ、オペラや舞台作品に基づかない独立した音楽作品として位置付けられています。メンデルスゾーンはこの新しい形式を通じて具体的な物語を語るのではなく、風景や感情を音楽で描写しました。

序曲はロ短調のアルペジオで始まり、海の波の動きや風景の広がりを感じさせるメロディーが展開されます。低音部から始まるテーマは徐々に高音部へと移り、海の満ち干いを思わせるリズミカルなパターンが全体を通して聴かれます。

「フィンガルの洞窟」作品26はメンデルスゾーンが自然から受けたインスピレーションを音楽で表現した素晴らしい例です。彼のスコットランド旅行での体験はこの作品を通じて今もなお多くの人々に感動を与え続けています。

Mendelssohn: Die Hebriden ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Andrés Orozco-Estrada

名曲5 ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64

フェリックス・メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64」は彼がフェルディナント・ダーヴィッドというプロのヴァイオリニスト、そして10代の頃からの親友のために書いた情熱的で抒情的な作品です。この協奏曲は1845年にライプツィヒで初演され、今日に至るまでクラシック音楽の中でも特に愛される作品の一つとなっています。

作品は聴く者を即座に魅了するヴァイオリンのメロディーで幕を開けます。
カデンツァは技術的に洗練されつつもシュポーアの古典的な響きとパガニーニの華やかな表現が見事に融合しています。そして、オーケストラが主題を再び奏でる際にはヴァイオリンが伴奏役に回り、聴衆に新たな驚きを提供します。

第1楽章と第2楽章はファゴットの一音によって繊細につながれ、第2楽章の落ち着いた宗教的なムードは周囲のセクションの興奮と対比をなします。この協奏曲ではメンデルスゾーンが楽章間の休止を避け、音楽を連続して流すことで一貫した聴き心地を実現しています。

フィナーレでは陽気で躍動感あふれるメインテーマが登場し、「真夏の夜の夢」を彷彿とさせるような軽快な音楽が展開されます。ヴァイオリンのソリストは抒情的なメロディーを奏でながらも、最終的には元気で活気に満ちた小妖精のテーマで作品を締めくくります。エドワード・ダウンズが言及する「抗いがたいメロディーの躍動感とリズミカルなドライブ」はこの協奏曲が世代を超えて愛され続ける理由の一つです。

彼とダーヴィッドの友情が生み出したこの音楽は、クラシック音楽の中でも特に情熱的で聴く者に深い感動を与える作品です。

Itzhak Perlman – Mendelssohn: Violin Concerto in E – Various Conductors & Orchestras/Fan Compilation

名曲6 無言歌「春の歌」

フェリックス・メンデルスゾーンの「春の歌」Op.62 No.6は彼の《無言歌》コレクションの中でも特に心を打つ作品です。春の訪れを祝福するかのようなこのピアノ曲はメンデルスゾーンの代表作として、世界中のピアニストたちに愛され続けている名曲です。

A長調で書かれ、3拍子のリズムが特徴的なこの作品はその流れるようなアルペジオと緻密に構築された和声進行で聴く者の心に春の喜びを伝えます。

この曲の美しさは単純なA-B-Aの構造を超えて、終結部で新しい展開を迎える点にあります。
微妙なリズムとハーモニーの変化が生命の再生と春の訪れの喜びを象徴しており、この親しみやすさと美しいメロディーは幅広い聴衆に愛される理由となっています。この心地よい記憶や感情を喚起させるこの曲は忘れがたい印象を与えます。

技術的な面でもメンデルスゾーンの「春の歌」は演奏者に幅広い表現の機会を与えてくれます。
演奏会はもちろん、結婚式や教育の場、さらにはメディアでの使用などその用途は多岐にわたり、この作品の普及はさらに加速されています。

ロマン派音楽のエッセンスを体現するこの作品は音楽教育の分野でも重要な位置を占めており、メンデルスゾーンの深い芸術的洞察力と技術的習熟が「春の歌」を時代を超えたピアノ音楽の傑作として確立しています。

現代のピアニストたちにとっても「春の歌」は繊細な感情表現とピアノテクニックの粋を集めた作品としてソロピアノ音楽の傑作と讃えられています。この風格あるロマン主義音楽の作品はこれからも時代を越えて受け継がれていくことでしょう。

《春の歌 – メンデルスゾーン》Mendelssohn – Song without words, Op. 62 No. 6 "Spring Song" クラシックピアノ- CANACANA

名曲7 無言歌「狩りの歌」イ長調 Op.19-3

狩りの情景を描いた「無言歌 狩りの歌」はメンデルスゾーンの作品群の中でも特に魅力的な一曲です。この曲は狩りを象徴する角笛の音色から始まり、森の奥深くを駆け巡る鹿やイノシシを追う猟犬の姿、そしてそれを追いかける騎士たちの勇姿を音楽で表現しています。

リズムは躍動感に満ち、聴く者を狩りの興奮そのものへと誘います。

この作品で特筆すべきはメンデルスゾーンがピアノのために書き下ろした技巧的な部分です。
彼はピアノの鍵盤を駆使して狩りの場面をリアルに再現しており、ピアニスティックな書法を用いることで曲全体に生命力を吹き込んでいます。その結果「無言歌」の中でも際立った存在感を放つ作品に仕上がりました。

また、この曲はメンデルスゾーンが愛した一曲であり、彼の音楽的才能と創造力の高さを示す証左となっています。勇壮な旋律と律動的なリズムが織り成す「狩りの歌」は、聴く者に強烈な印象を与え、メンデルスゾーンの音楽世界への深い理解を促します。

Mendelssohn Song Without Words Op. 19 No. 3 | Leon McCawley piano

名曲8 チェロ・ソナタ 第2番 ニ長調 Op.58

フェリックス・メンデルスゾーンの作品の中でもチェロ・ソナタ第2番ニ長調Op.58は、彼の音楽的才能の広さを示す素晴らしい例です。
この作品は1843年にマテウス・ヴィエルホルスキ伯爵へ捧げられました。
伯爵はロシア陸軍の大佐であり、プロのチェロ奏者でもありました。このソナタはメンデルスゾーンがチェロとピアノのために書いたもので、彼の音楽が古典派とロマン派の要素を融合させていることを如実に示しています。

このソナタは「アレグロ アッサイ ヴィヴァーチェ」、「アレグレット・スケルツァンド」、「アダージョ」、そして「モルト アレグロ エ ヴィヴァーチェ」の4つの楽章で構成されており、通常は約25分間の演奏時間を要します。各楽章はメンデルスゾーンがどのようにして古典的な形式を採用しつつも、ロマン派の情感と技巧を巧みに織り交ぜたかを示しています。

特に注目すべきはアダージョ楽章です。
ここではメンデルスゾーンがJ.S.バッハへの敬愛を音楽に反映させています。
ピアノが豊かなアルペジオで演奏するコラールのフレーズと、チェロがレチタティーヴォのようなパッセージを奏でる部分はバッハのスタイルを彷彿とさせます。
この楽章はメンデルスゾーンがバッハの遠い後継者としての役割を果たしていた時期に作曲されたもので、バッハの音楽に対する深い尊敬と理解を示しています。

このソナタ全体を通じてメンデルスゾーンはチェロとピアノの両方に技術的な挑戦と音楽的表現の機会を与えています。アレグロ アッサイ ヴィヴァーチェ楽章では、ピアノの鼓動するハーモニーとチェロの上昇するメロディーが聴き手を即座に魅了する一方、アレグレット・スケルツァンド楽章では、より軽快で遊び心あふれる雰囲気が演出され、チェロのメロディーが聴き手に喜びをもたらします。

モルト アレグロ エ ヴィヴァーチェのフィナーレは、このソナタの華やかな締めくくりを飾ります。
ここではチェロとピアノが互いにアイデアを交換し合いながら、エネルギッシュで陽気な雰囲気を生み出しています。この楽章はメンデルスゾーンの作曲技術の高さと、音楽に込められた情熱を感じさせるものです。

メンデルスゾーンのチェロ・ソナタ第2番ニ長調Op.58は彼の音楽的多様性と深い感情表現の能力を示す作品であり、今日でも多くのチェリストとピアニストによって愛され、演奏され続けています。

F. Mendelssohn – Sonata for Cello and Piano No. 2 in D Major, Op. 58

名曲9 ロンド・カプリチオーソ ホ長調 作品14

フェリックス・メンデルスゾーンが作曲したピアノ独奏曲「ロンド・カプリチオーソ ホ長調 作品14」は、ピアニストの間で広く愛されている作品です。

この曲は1828年に完成し、その2年後にはより魅力的な導入部が加えられました。
この追加された導入部はメンデルスゾーンがデルフィーネ・フォン・シャロートへの愛情を込めて作曲したと言われています。

この曲の特徴はその叙情的な美しさと技術的な要求のバランスにあります。

「ロンド・カプリチオーソ」は柔らかな和音で始まり、叙情的なメロディーが展開されます。
この序奏部分は聴き手を曲の世界へと優しく誘い、その後、プレストセクションへと移行し、ここではメンデルスゾーン特有のエルフのような軽やかさが表現されています。

この部分は彼の他の作品「真夏の夜の夢」やヴァイオリン協奏曲ホ短調の最終楽章にも通じるものがあります。

この曲の構造は叙情的な部分と技術的な要求が高い部分との間の巧妙なバランスによって特徴づけられます。初めに提示される穏やかなテーマは次第に活発で複雑なパッセージへと発展し、聴き手を魅了します。そして、最後には力強いオクターブのパッセージで曲を締めくくります。

メンデルスゾーンはこの曲を通じてピアノ音楽における叙情性と技術的な洗練さを見事に融合させました。そのため、この作品はピアニストにとって技術的な成長を促すと同時に、音楽的な表現力を深める機会を与えてくれます。メンデルスゾーンの「ロンド・カプリチオーソ」は、ピアノレパートリーの中でも特に美しく、挑戦的な作品として位置づけられています。

NIU NIU – MENDELSSOHN: Rondo capriccioso, Op. 14 MV

名曲10 歌の翼に 歌曲集「六つの歌曲」作品34の2

ハインリヒ・ハイネの詩とフェリックス・メンデルスゾーンの音楽が融合した「歌の翼に」は19世紀のドイツを代表するロマンチックな作品です。
ハイネの詩は報われない愛の夢を描き、その情熱的な言葉は多くの人々の心を捉えました。
一方、メンデルスゾーンはその詩を受けて声楽とピアノのための「六つの歌曲」作品34の一部としてこの曲を作曲しました。

この曲は愛の力を象徴する翼を持って空を飛ぶ想像を歌い上げます。
メンデルスゾーンの旋律はハイネの詩の美しさと情熱を完璧に捉えており、聴く者をそのロマンチックな世界へと誘います。ピアノの伴奏は歌詞の情感を豊かに表現し、歌声と共に聴く者の心に深く響きます。

この作品は当時としては革新的な試みであり、メンデルスゾーンの音楽的才能とハイネの詩的センスが見事に融合した結果です。それは、愛の悲しみと喜びを歌い上げることで聴く者に深い感動を与える作品となりました。

「歌の翼に」は今日でも多くの音楽愛好家の間で大変人気があります。
その理由はメンデルスゾーンのメロディーが持つ普遍的な美しさとハイネの詩が描く愛の物語が時代を超えて共感を呼ぶからでしょう。この曲は音楽と詩が持つ表現力の素晴らしさを改めて教えてくれます。


歌の翼に 詩

Auf Flügeln des Gesanges,
Herzliebchen, trag’ ich dich fort,
Fort nach den Fluren des Ganges,
Dort weiß ich den schönsten Ort.
Dort liegt ein rotblühender Garten
Im stillen Mondenschein;
Die Lotosblumen erwarten
Ihr trautes Schwesterlein.
Die Veilchen kichern und kosen,
Und schaun nach den Sternen empor;
Heimlich erzählen die Rosen
Sich duftende Märchen ins Ohr.
Es hüpfen herbei und lauschen
Die frommen, klugen Gazell’n;
Und in der Ferne rauschen
Des heiligen Stromes Well’n.
Dort wollen wir niedersinken
Unter dem Palmenbaum,
Und Liebe und Ruhe trinken,
Und träumen seligen Traum.
歌の翼で、
愛しい人よ、私はあなたを連れて行きます、
ガンジス川の流れの先へ、
私が知っている最も美しい場所。
そこには赤亜麻の庭園があり
静かな月明かりの中で。
蓮の花が待っている
彼らの魅力的な妹。
スミレはくすくす笑い、仲良くして
そして星を見上げてください。
バラたちにこっそり伝えて
密かに妖精の話をします。
敬虔で賢い小鹿は
近くに寄ってて聞こうとする
そして遠くで聞こえる
聖なる川の波音。
そこで座ろう
ヤシの木の下で
そして愛と平和に酔いしれて
そして私たちの至福の夢を見てください。
Nana – 歌の翼に 作品34-2(メンデルスゾーン)

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